中学生の頃初めて母のために作った献立とは?

毎年5月の第2週と言えば「母の日」ってことは皆さんよくご存知ですよね。今回は私が中学生の頃、「母の日」に初めて作った料理の話をしましょう。

いつも私と父の為に弁当を作って持たせてくれる母。私は日々それがあたり前のように思っていました。でもいつしか自分もお嫁に行く時が来ると母から聞かされ、将来どんな男性と出会って結婚するのか想像もつきませんでした。

女の子である以上、最低限のことは出来るようにさせたいと願ってた母。自分が2人子供の母親になってその気持ちがよ~く分かるようになりました。私にも娘がいますから。私も娘にはそろそろ家事を覚えてもらいたいと思っています。

中学生になった私は毎日のように母から料理、洗濯などを教わってました。そんな中、やっとそれなりに出来るようになった料理を母に食べてもらいたい!「母の日」でもあるし。何を作ったらいいのかさんざん迷いましたが、とりあえず何度も教わったカレーライスを作ることにしました。

母には「何が食べたい?」とは聞きませんでした。母は何事もなかったかのように新聞読んだり、テレビ見たりして自分なりの余暇の時間を楽しんでる様子でした。私はそしらぬ顔をして冷蔵庫のドアを開けてカレーの材料を取り出してました。すると母が「あんた何やってんの?」「ううん、別に。何かないかな~って思ってさ。」「あ、そうなの。」何だかしらじらしい会話。でもカレーを作るためにはどうしても冷蔵庫を開けないと材料は出せません。

カレー粉と肉は冷蔵庫に入ってましたので、取り出しました。じゃがいも、玉ねぎ、にんじんはいつも段ボールの中に入ってましたので、母から聞いた分の量を取りだしました。すると母が「さっきからあんたこそこそ何してるの?」と聞きに来る始末。私は「あ~、何でもないから気にしなくていいよ。」「探し物?」「ううん、そんなんじゃない。」母は首をかしげながらも、別の部屋に移動していきました。私はほ~っとしました。

早速まな板と包丁を用意して、材料を切り始めました。でもなかなか母のようには上手くいかず、自分ながらに「まだまだ切り方は下手だなぁ。」と独り言。

カレー粉の箱に書いてある説明書を読みながら私の初めての1人料理の奮闘が始まりました。下手なのは仕方がない。私なりの美味しいカレーを母の為に作って見せる!と意気込んでました。

時間がたつにつれ、台所からいかにもカレーを作るっぽい臭いに気付いた母が「あら~、○○ちゃん(私の名前)!どうしたの、今日に限って。いい臭いするね。もしかしてカレー?」「そうだよ。いつもお母さんにまかせっきりだったから自分で作ってみようと思って。」「へえ~、偉いね。あんた。自分からやる気になればその分上手になれるよ。」「でもね、お母さん。やっぱり材料に切り方滅茶苦茶なの。」「そんなのいいよ。あんたが作ってくれるんならきっと美味しいよ。」母は私が自分から台所に立ってくれたことがよっぽど嬉しかったらしく、優しい顔になっていました。

ある程度の時間煮込んでカレーが出来上がると、丁度夕飯の時間になり、母と妹が同席。母は「○○ちゃん(私の名前)の心のこもったカレー御馳走になるよ。」「でもお母さん、やっぱり下手で・・。」「いいの!そんなことは。お母さんは○○ちゃん(私の名前)のその気持ちが嬉しいよ。さあ食べようか。」母の喜んだ顔を見て、私は初めて1人で作った料理、それもカレーを作れた達成感に浸ってました。

「美味しいよ、お母さん涙でそう。」母の心から喜んでくれた表情は今までにない聖母マリア様のように見えました。母の為に初めて作った料理。それがカレーでした。